・寝具・枕について
頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアと枕、布団、寝方について
頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアのかたの多くは、痛みシビレで寝付けない、眠りが浅い、痛みで夜中に目が覚めてしまうなど、睡眠に問題を抱えることが多くなります。寝ているのは一日のうちの約1/3の時間になります。
あらためて、睡眠とは何なのか? その間何が起こっているか?
良い睡眠とは = 重力から解放される。
⇒ 日中に溜まった疲労や歪みを取り去る。成長ホルモンが分泌される。
⇒ 壊れた組織の修復活動が活発になる。脳が休息する。
⇒ ストレスの処理が迅速に進む
本来、人間の体は睡眠により自然治癒力が発揮されて症状が良くなるはずなのに、朝が一番辛い場合、枕や布団が合っていなかったり、寝方が悪いことがあります。
もちろん、組織の炎症が激しい時期や、血行不良が著しい時期にはしかたがないことといえます。
しかし、症状が慢性的に推移している時期には好ましいことではありません。枕や布団、寝方についてしっかりと対策を練ることが必要です。
寝方としては、感覚的にもっとも苦しくない「いわゆる疼痛回避姿勢」を探して、なるべく症状のない楽な体勢で眠りにつくのが最善です。皆さん、無意識にこういう姿勢をさがしていることと思われます。
これを、無意識的な疼痛回避姿勢といいます。このことは、よく理解しておくべきです。
人間は寝ている間に15回以上も寝返りをうちます。寝返り自体は体の調整行為そのものですので、本来は歓迎すべきことですが、痛みしびれ症状の酷い時期では、寝返りを打つたびに激痛で目が覚めたりと大変です。 前提として、寝返りがしやすい環境に工夫することがポイントになります。
自分で作る枕について
デパートなどのピローコンサルタントなどに枕を作ってもらうのも一つの方法ですが、枕と首の関係についての考えや意見は数多く存在します。また、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアのかたは、一般的に知られている枕や布団の理論が通用しないことが多いのも事実です。これがいいと薦められたものが自分には合わなかった、という経験をお持ちの方もいるかも知れません。私の施術院に来院さらたかたでは、枕を何個買い換えてもしっくりこないとのことで、タオルなどを利用した自作枕の作り方を教えて解決した例がとても多いです。 やはり、ご自分で使うものですから、専門職の方に選んでもらったり、作っていただいた後でも、しっくりこないと思われたら、何かしらの手を加えてみるのが良いでしょう。 もしくは、最初から自分で作ってしまうのが安価で、改良もしやすいのでいいと思います。
・枕を改良、自分でつくる方法
タオルなどを活用すると簡単に枕を作ることが出来ます。
普段使っている枕をバスタオルでくるむ。
横になったとき、頭の位置や角度が気持ち良い状態の大きさや形になるよう、バスタオルで調整する。
大き目のバスタオルをくるくると巻く。(直径8〜 12 センチくらい)。これを補助的な枕として利用する。
角度や位置を調整するため、頭や首部分にあてて使う。
頭の下や首部分などに、巻いたタオル枕をあて、気持ち良い角度と位置を確保する。