薬の服用について
頚椎症・頚椎椎間板で使われる薬のほとんどは症状を一時的に緩和する対処薬といえます。根本治療のための薬とはいえませんし胃腸障害などの副作用も生じやすくなりますので、飲まないですむなら飲まないにこしたことはありません。必要に応じて服用する場合は、医師・薬剤師の指示をもとに、できるだけ短期間、少ない量ですましたいところです。このことは、、自身の持つ自然治癒力をより高めるためともいえます。
しかし、注意しなければならないこともあります。
服用すると一時的にせよ「効く」「楽になる」ことが分かっている薬の場合、服用しないで痛みシビレの酷な症状をガマンし続けるのは、かえって「痛みによるストレス」が蓄積してしまう可能性もあります。よって、適正な範囲をよく見極めて使用することが理想といえます。
なお、必ず、医療用薬品は医師に相談し処方せんを出してもらうこと、一般医薬品薬であれば薬剤師などに相談して薬を使用してください。
炎症期、神経の当たってる部分が炎症を起こして激しく痛みシビレがある場合は、発痛物質が撒き散らされているので解熱消炎鎮痛薬(ロキソニン、ボルタレン、イブプロフェン など)が効きます。ただし、喘息やアレルギーをお持ちのかたは、この薬の服用により引き金となってしまうことがありますので、注意が必要です。喘息を持っているかたは、必ず医師・薬剤師に伝えてください。そうすると、たいていは、喘息誘発の可能性が低いアセトアミノフェンという成分主体の薬を処方してもらえます。これは、効き目では前者に劣りますが、胃腸障害も起こりにくいという利点もあります。
また、最近では、末梢神経改善薬(リリカ など)も使われるようになりました。これは、神経痛、末梢神経性の痛みしびれに対して効果が期待できるものです。ビタミンB12製剤も有名ですが、特に痛みしびれに対しては効果が感じにくいこともあり、リリカなどの末梢神経改善薬の研究が進むことを願うところです。
いずれにしても、「ひどい痛みシビレを我慢」すると、「痛み自体がストレス」になりますから、特に、頚椎症・頚椎椎間板ヘルニアの「炎症期・急性期」においては薬を上手に利用されることをお勧めします。
反対に、慢性期の場合、周囲組織の血液の流れが非常に悪くなっており、細胞に酸素や栄養が届きにくい状態になっています。そうゆう時期に強力な解熱鎮痛薬を使うと更に血流が悪くなるので、余計に筋肉が固くなる可能性もあり、あまりお勧めできません。こういうときは、よく筋緊張性頭痛で使われる、アセトアミノフェン+カフェイン+エテンザミドの(ACE処方)組み合わせが、動脈血流を増やしながら痛みを緩和する効果を期待できるものとしてあげられます。 また、漢方薬のなかには体を温めながら鎮痛効果を期待できるものも多いです。血流アップのお薬 漢方薬などいずれにしても、医師、薬剤師、登録販売者などに相談して決めるようにしてください。